昭和51年製テクニクス(オーディオセット)を物置から出しました。
自宅の物置は、懐古庵(大正時代の建物)よりも古い明治中頃の建物です。
建物の作りや部屋の構成には、この物置が残す「昔の物置の特徴」が見られます。
石組みで約30㎝底上げした地盤に建てられた横8軒の木造平屋建て建築で、正面が全て横長の軒下になって「東の間」・「中の間」・「西の間」の3部屋に分かれ、以前、屋根は瓦葺きでした。
瓦屋根が老朽化したため、新建材の屋根に変わりましたが、各部屋の造りは、「東の間」が道具部屋、「中の間」が蔵、「西の間」が隠居部屋に分かれています。
「東の間」と「中の間」の扉には、昔の蔵式の大戸が使われています。
「西の間」には畳が敷かれ、居室として大正から昭和初期に先祖が隠居部屋とし、その後は、何世帯かの家族に借家として貸して来ました。
最後に住んだ家族が、昭和40年頃に引っ越してからは空き部屋になり、子供部屋等に利用していました。
平成9年に自宅を新築した折りには、「西の間」の土間を改良して台所にし、食事場所として利用しましたが、その後は流し台を撤去して物置にし、いつの間にか扉が閉めっきりの封印状態になっていました。
懐古庵を開業するに当たり、店に運び込んだ古い道具類は、物置の3部屋にギッシリ詰まっていました。
ようやく1年掛かりで「東の間」と「西の間」の荷物が片付き、「中の間」以外は空になりました。
「西の間」の荷物が全て片付いて空虚な部屋を見た時、自宅を新築した時に此処で他界した両親らと食事をしたのを思い出し、ちょっと切なく空しい気分になりました。
今回、西の間から一番最後に搬出したのは、松下電器産業株式会社製の「テクニクス」というオーディオ機器でした。
20代では、この様な高級ブランドのオーディオ機器を購入出来なかったので、30代半ばになって、昭和51年製テクニクスを中古で購入しました。青春時代には、高級感溢れる憧れの音響機器でした。
長い間仕舞ってあったので、埃だらけに成ってしまい、毎日、埃取りに追われています。
そもそも、懐古庵にも収納するスペースが無くなり、色々配置変更して道具の移動に一苦労しています。
オーディオ機器の一番下の棚には、20~30年前に中古で購入したLP版レコードが60枚余り収納してありました。
まず、殺菌消毒のため日光に当ててから、除菌シートを使い一枚ずつ丁寧に埃を拭き取りました。
ここ数日は、テクニクスのオーディオ機器が、今でもちゃんと聴けるかどうかワクワクしながら片付けています。
※最近では新型コロナの感染者が急増し、懐古庵でも積極的には活動出来ない状況にあります。しかし、ご来店のお客様に対する健康第一と三密回避を考えた上で暖簾は出し、臨機応変に店を開けています。
今の状況では、市民が出来るだけ人との接触を避けて、行動を自粛するのは当然なので、当庵としても新型コロナが終息して賑わいが戻るまで、今出来る事を日々の日課にしています。
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