荷車(大八車)の修復

 最近、車軸が無く荷台も壊れた荷車(大八車)を頂き、どうにか修復させる事が出来ました。

1 はじめに

 6月16日(日)、富士市富士岡の方が、

 「物置を片付けしたら昔の荷車が出て来たので廃棄する為、欲しければ差し上げます。」

と声を掛けて下さいました。

 翌17日(月)、その荷車を頂きに行き、物置の外に出してあった為、軽トラックに積んで来ました。

 荷台の両側に取付けられた太い角材が割れて、一番重要なパーツである車軸部分が廃棄されていた為、修復するのに大分困難を極めました。 

 自宅に持ち帰って来た時、荷台も車輪もホコリだらけだったので、まずは水道で水洗いして乾かすところから初めました。

 唯一安堵したのは、車輪が2個共揃っており比較的傷んではいなかった事です。


2 割れた荷台の現状回復

 割れた棒の裂け目にボンドをたらし込んでから木工用クランプで固定させ、釘を打って一つずつ修復して行きました。

 両端の角材を補修した後、車軸を取付ける当て木の固定作業に着手しました。

 欠損している部分が多かったのでパーツを新規に工作して取付けたりもしました。

 そして、耐久性が弱い部分に対して金具で補強しました。


3 車軸の修復

荷車(大八車)にとって車軸が生命線です。

最も重要な部品です。

 その為、一部の可能性を期待して、処分した鉄くず業者に電話して確認もしましたが、半月前だった事から、既に破壊処分された後でした。

 ガッカリしても仕方がないので、

 「どうしたら修復出来るか?」

を、四六時中(夢うつつにも)考えていました。

 何度もホームセンターに足を運び、車軸に相応しい部品を探しました。

 そして、『角パイプと水道管で工作しよう』と漸(ようや)く閃きました。

 順調に進んだかと思い、車輪を取付け様とした段階で、寸法を間違えていたのに気付き、一瞬、愕然としたりもしましたが、どうにか車軸を修復させる事が出来ました。

4 完成した荷車(大八車)

 漸(ようや)く完成した荷車(大八車)を懐古庵の庭先に置いて見ました。

苦労した分、非常に愛着があります。

 今回の荷車(大八車)は、荷台が樫の木ではなく比較的軽量な素材です。

私でも片手で持てる程の計量です。

 後ろに補助者の手綱が備わった珍しい(貴重な)荷車です。

 当時の面影が十分に伝わってくる程に修復出来ています。

 経年劣化は否めず、車輪のスポークも風化で若干細目になっている為、引き回しまでは難しい?と思いますが、イベント等での「オブジェ&展示」等には十分耐える事が出来ます。


5 終わりに

 懐古庵では、何台かの荷車を収納し保管していますが、どれも取り出しが簡単ではない物ばかりです。

 今回紹介した荷車については、分解や搬送が簡単に出来る為、イベント等でのご利用の際にはお貸し出来ます。

 お問い合わせは、古民家ギャラリー懐古庵までご連絡下さい。

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