室内の掲示物・ビジョン

「此処はどういう所?貴方は何者?」と疑問をお持ちの方へ掲示してます。

 当庵「古民家ギャラリー懐古庵」について、「ちょっと興味が有るけど、何か怪しげなので入りづらい」とお考えの方が居るかも知れません。その為、それとなく室内に「ビジョン」を掲示しています。

 まず一つは、明治・大正・昭和の展示室に「ご来店のお客様へ」というお知らせの紙を掲示しています。

内容については、次の画像のとおりです。

私は、学者や宗教家や僧侶ではありません。

 生活文化を懐かしみ、価値ある古民家を維持して後世に文化の証(物質文化と精神文化)を残そうとする者です。

「懐古庵」そのものは、【古民家ギャラリー】として昔の生活道具の展示やコミュニティースペースの利用を提供する施設です。

 博物館には博物館法があり、法人化が条件ですので、当庵はその様な博物館でも有りません。

 度々、当庵の理念でも申し上げておりますが、郷愁(ノスタルジー)の大切さを伝承し、地域社会の活性化にお役に立てたら幸いだと考えています。

 私は20代後半の時、脳内に腫瘍が見付かり人生の大ピンチを迎え、「死」を意識したことがありました。絶望を味わい、仕事にも行かずに眠れない日々を送った事がありました。

 しかし、宿命と思って諦めが付いてから、「ほったらかし」を選択した結果、治療に頼らず今日まで暮らしてきました。

 不思議なことに年齢と共に腫瘍が無くなっていることが判り、老後は運命に感謝する日々を送っています。

 30才近くで「死」を覚悟した時に抱いた願いや慰め、そして見えた灯りや光景の中で、【郷愁】が唯一希望のワードであることに気付いたのを、今でもハッキリ覚えています。

 それがきっかけで、懐かしい物を探し求めて収集し、身近に置くようになりました。

 時々、お客様の中には、忘れていた懐かしい物を見付けた時、心の奥から

 「うわー!これ懐かしいなあー!」

と声を絞り出すように発する人が居ります。

 不思議なことに、普段、【郷愁】はハッキリとは見えないものです。しかし、琴線(きんせん)に触れた時、ハッキリ見えるものです!

 普段忘れていた【感動】が目覚めるのです。


 ビジョンに関する二つ目の掲示物は、常設展示室のガラス戸に貼付してあり、同じく「ご来店のお客様へ」という張り紙です。

内容については、次の画像のとおりです。

そこには、懐古庵のビジョンを簡単に記してあります。

 世間の慌ただしさと新しいものに振り回され、心が疲弊して

「自分が何処に向かっているのか?」

を見失ってしまった時、懐古庵を訪れて欲しいと思います。

 ここ「懐古庵」は、お客様が懐かしい物に巡り逢い、心の何処かで探していた「大切なもの」と再会できた時、童心に返って感動を楽しむことができる場所でありたいと願っています。

 お客様の中には大変感動して下さり、「先日 見学したらすごく良かったから友達に紹介しておいたよ。」と再び声を掛けて下さる方が、偶(たま)にいらっしゃいます。

 当庵のビジョンが、多くの方々に伝わって頂けたら大変嬉しく思います。

 これで一先ず、理念やビジョンの説明は、区切りと致します。今後 は、日々の暮らしに沿った身近な題材を記事にしようと考えています。


※(参考)

 良くも悪くも「ほったらかす」について

 真面(まとも)に解釈すれば「無能」なやり方を意味しますが、実体の無い「悩み」等に囚われた感情を打ち消すには、大変有効な方法です。

 以前、坐禅の本で「無」になることを、思考停止ではなく「邪念が浮かんでくるのを【ほったらかす】」と読んだ記憶があります。それが、安心立命(あんじんりつめい)の境地に通じるのではないかーと思います。

古民家ギャラリー懐古庵

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