幸福学の焦点。
人生には「罠」がある。
(フォーカシング・イリュージョン)
人間性の秘密の中で、一つだけ心の真ん中に見えないピース「人生の罠」があるのを忘れるな。
(石碑の説明)
石碑は、当庵の南側庭に配置しています。
幸福学では、我々を悩ませ不幸に陥れる不条理の正体を、
フォーカシング・イリュージョン
(焦点が合わない幻想)
と言って「幸福学の焦点」としています。
「フォーカシング・イリュージョン」は、ノーベル経済学賞を受賞した米国のダニエル・カーネマン教授が経済学で提唱した言葉であるが、それを幸福学で引用した考えであると言われています。
経済というのは、実生活に満足せず、どこまでも「焦点が合わない幻想」を追い求めて生産性を向上し続けなければ保たないもの、という様な提唱だったと思います。
幸福学でその言葉を「人生の罠」とした要点については、
人間には【他人と比較して優越を、喜び(幸福)に感じてしまうという間違った幸福感】に焦点を当ててしまう愚かな特性がある、
と捉えており、「人と比べて優越を喜び(幸福)と感じてしまう」愚かな特性こそ、
「焦点が合わない幻想」
としています。
幸福学の第一人者、前野隆司教授の著書「幸せのメカニズム 実践・幸福学入門」の中で、ロシアの文豪トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」の冒頭の一節が紹介されています。
※幸福な家庭は、みな似通っているが、不幸な家庭は、不幸の様も様々である。
これは以前、テレビ番組の特集で紹介されました。
暖かな家庭は、皆が笑顔で楽しく平穏に暮らしているが、不幸な家庭は、多様な悲しみ・苦しみ・怒り・争い・嫉妬・憎しみ・諦め等が繰り返し行なわれている、と解説しています。
本当の幸福は、金銭欲・物欲・名誉欲等の「地位財」より、健康・長寿・安全安心・自由・愛情・人との交流・親切等の「非地位財」であるという。
他人と比べて優越の喜びを「幸せ」と考え、「優越追求」しても、何処まで行っても満たされないのが人間の宿命であり、それよりも「他人への親切・優しさ・思い遣り」や、「人との楽しい交流」の方が本当の幸福追求である、と分析されています。
つまり、当たり前の事が出来ず、地位財の優越を喜び(幸福)に感ずる特性こそ、不幸をもたらす元凶(フォーカシング・イリュージョン)「罠」であると考えられています。
私は、優越追求という「焦点が合わない幻想」が、人間の愚かな特性である「罠である」のに気付くことが、幸福パズルの重要な要素(ピース)であると考えています。
私には、その「罠」というピースだけ
・心のど真ん中に有る
・反転していて見えない、気付かない
・パズルで最後の100目のピース
と思っています。
今回紹介した石碑は、そうした思いを石碑に刻んだものです。
(おわりに)
人生の罠に気付き、本当の幸せとは何か?
それこそが、幸福パズルで探し求めていた最後のピースです。
そのピースだけは、心のど真ん中に有るのに反転していて、一つだけ見付からなかったピースであると考えています。
それが、我々を不幸に陥れる元凶ー
フォーカシング・イリュージョン
「罠」です。
※幸福の要素は、社会的地位・健康・自主性・良質な環境・自由・愛情・安心安全・長寿・子孫繁栄・感謝・親切・創造 等々、判り易いものが多いと思いますが、「罠」(罠に気付く事)が幸福を作る要素であるとは考えにくいと思います。
妻は、この石碑の意味が良く判らないと言います。私がどんなに熱弁してもー。
そこが「幸福学の焦点」たる判りにくい部分でもあると思います。
(参考資料)
講談社発行、前野隆司著「幸せのメカニズム 実践・幸福学入門」
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