受付では、福助人形がお出迎えします。
何とも愛嬌がある福助人形です。
その表情から自然に「いらっしゃいませ。」が聞こえてきます。
最近、懐古庵の協力者から頂いたものです。
自宅の荷物を整理するので、大切に収集してきた想い出の品物を懐古庵に展示して貰えたら嬉しい、との事でした。
七福神や招き猫に加え、福助人形も幸福を招く縁起物です。
商売繁盛・出世開運・長寿・幸福など、明るい気持ちになることだらけです。
また、福助人形を頂いた方から、日本人形や九谷焼の観音像も頂いてきました。
日本人形は、着物姿の市松人形です。
傷みが激しくガラスケースの枠が外れてしまい、釘で補強しました。
人形の埃を軽くブラシで払おうとしたところ、胸元の布が綻(ほころ)びてしまい、中の綿が出てしまったので、障子用の糊(のり)で固めたりしています。
最近では余り見掛けない市松人形なので、日本文化の多様性を楽しんで頂けたら幸いです。
観音像については、ネットで検索した結果、九谷焼の観音菩薩像だと思います。
大変豪華な焼物の観音様ですが、右の手首が欠けています。
元々、右手で巻物を持っていたようです。
一部欠損していますが、越年経過の証(あかし)と思い、この像についても日本文化の多様性を楽しんで頂けたら幸いです。
私の場合、観音様の欠損部分に何かを添えたり、別の見立て技法を使って隠すより、上の写真の様に古い灯籠と一緒に展示したりすれば、観音様の良さを引き立たせる効果になると考えるので、マイナスを補うことも可能です。
(おわりに)
最近、よく「文化の多様性」という言葉を使っています。
文化は、その『多様性こそが楽しい』と思っています。
私達が生活している「文化の証」は、確かに多様すぎます。
しかし、それこそ生きる楽しみであり、「生きた証」だと考えています。
懐古庵においては、「文化の証」を残し多様性を楽しむのをミッション(使命)だと考えています。
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