社会のきまり「五倫五常」

人間関係において守るべき道徳。

         (五倫五常)

1 はじめに

 人間社会の原理原則(普遍的なきまり)は、人を敬愛し相手を立てること にあります。

 「礼」を大切にし礼儀をわきまえることです。

 「感謝」は内面的な気持ちですが、「礼」相手への思いやりが表現されることです。

 素直な心(礼)がない人は、何れ誰かとトラブルを引き起こします。

           (礼の欠如)

言葉には魂があり、心を現わします。

そして、行動にも心が現われます。


2 五倫五常(ごりんごじょう)

 人間関係において、守るべき道徳を唱えたのが五倫五常です。


(1)五倫とは

 孟子が教えた君臣・父子・夫婦・長幼・朋友の間で守るべき道。


① 君臣の義(くんしんのぎ) 

 上下関係は、道理が大事。

② 父子の親(ふしのしん) 

 親子関係は、親しみ・愛情が大事。

 ※「親」の逆は「疎」。疎遠・粗末ではいけない。

③ 夫婦の別(ふうふのべつ) 

 夫婦関係は、差別なく尊重し合うことが大事。

④ 長幼の序(ちょうようのじょ) 

 年齢関係は、自分より年配者を敬うことが大事。

⑤ 朋友の信(ほうゆうのしん) 

 友達関係は、疑わず偽らず、上辺だけでなく信頼が大事。


(2)五常とは

 儒教で云う「人間の実行すべき五つの道」の事。

「仁・義・礼・智・信」の徳。

【親愛・道理・敬意・智恵・信心(正直)】を云う。


① 仁(じん)

 親愛を基にした一切の徳の中心になる美徳「博愛」。(対:渴愛)

② 義(ぎ)

 物事の道理にかなうこと。

(道理とは、正しい筋道・順序の事)

③ 礼(れい)

 敬意を表す作法。感謝の心が表に現されること。

(感謝とは、有り難み、人への思いやり、気遣い)

 ※先祖を敬い、人を立てるべし。

(感謝の逆は:侮辱・馬鹿にする事)

④ 智(ち)

 物事の理を考え、判断する心。

⑤ 信(しん)

 人を欺かないこと。疑わないこと。信心・まごころ。


五常「5つの基本徳目」については、孔子・孟子の教えを基に前漢時代、董仲舒(とうちゅうじょ)によって確立された とされています。


3 おわりに

 私は、二十歳過ぎまで、社会のしきたりなど全く知りませんでした。

 礼儀正しくあれば、何となく世渡りできる、その程度にしか考えてはいませんでした。

 しかし、仕事をして社会生活を送るうちに人間関係が中々上手く行かず「何か筋の通った道徳が存在するのではないか?」と漠然と思う様になりました。

 経験値を重ねる毎に、五倫五常の教えにも触れ、『人としてこの徳目にこそ、人間社会において非常に重要な原理原則(普遍的なきまり)が有る』と考える様になりました。

 古来、日本人の心「武士道精神」においても、「五倫五常」の教えが基本理念になっています。

 今回のブログにおいては、人間関係が上手く行かずに悩んでいる若者に対して、道徳の根幹(基本理念)で有る

    【五倫五常の教え

をお伝えし、お役に立てて頂けたら幸いに思います。

             懐古庵主 











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