「恭寛信敏恵」(仁の五徳):陽貨第17より
1 はじめに
論語は、孔子と弟子達の言行を記録した書物で、20篇から編成され、どの編も、最初に出てくる2文字を編名にしています。
今回、紹介する教えは、
陽貨第17篇の「仁の五徳」
に関する教えです。
そこでは、弟子の子張(しちょう)が孔子に「仁とはどういうことか?」問います。
それに対して孔子は、五つの徳を行なう事が仁であると答えています。
その五徳こそ「恭寛信敏恵」です。
2 恭寛信敏恵
(きょう かん しん びん けい)
漢文直訳をかみ砕けば、次の様な意味になります。
〇恭(うやうや)しい態度を取れば、
人から侮(あなど)られません。
〇寛大であれば、
多くの人達の支持や協力が得られる。
〇信頼があれば、
人は任せてくれます。
〇敏速であれば、
功労・功績をたたえられます。
〇恵(温かみ・思いやり・優しさ)があって
初めて人を使う資格があります。
※仁とは、親愛を基にしたこの五徳の博愛精神を云います。
3 朋(とも)有り、遠方より来る
(ブログの挿絵解説)
子曰、学而時習之、不亦説乎。
有朋自遠方来、不亦楽乎。
人不知而不慍、不亦君子乎。
【論語、学而(がくじ)第一篇より】
子曰く、
学びて時に之を習う、
亦(また)説(よろこ)ばしからずや。
朋(とも)遠方より来(きた)る有り、
亦(また)楽しからずや。
人知らずして慍(うら)みず、
亦(また)君子ならずや。
※この解説は、2022年1月17日のブログ「朋(とも)有り遠方より来る」にも投稿しています。
「朋(とも)有り、遠方より来る」の諺(ことわざ)は、友達が遠くからはるばる会いにやって来てくれる楽しさ、として解釈されています。
4 おわりに
職場や社会では、自己抑制が働かないと、様々な擦れ違いからトラブルに発展することが多く有ります。
孔子がいう仁とは、
「恭寛信敏恵」の五徳の精神
であり、この教えが頭の片隅に有れば大変有意義に生きる事が出来ます。
今回のブログでは、精神文化の大切な伝承として、
仁の五徳「恭寛信敏恵」
を記事に致しました。
懐古庵主
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