所蔵する御駕籠の説明

権門駕籠(けんもんかご)です。

(身分の高い武士の乗り物)

 江戸時代、大名の家臣が主君の用事で他家へ行く時に乗った御駕籠(おかご)で、主君から貸し与えられた物が多い様です。

 日覆(おお)いは紺の布で、骨組み・引戸・腰通(こしどお)りが黒塗りで作られています。

 「権門(けんもん)」とは、官位が高く権力・勢力がある家、の意

 (権門(けんもん)勢家(せいか):権力や勢力がある家柄)

 江戸時代、庶民が乗れた最高位の駕籠が「法仙寺(ほうせんじ)駕籠(かご)」と言われています。この所蔵する駕籠は傷みが激しく、法仙寺駕籠との類似点も見られるため、権門駕籠か法仙寺駕籠かの見分けが付きません。

 しかし、所蔵する御駕籠の出処(しゅっしょ)は、古物商の御主人の話では信州諏訪藩高島城下で藩主の漢方医を代々勤めた岡谷市の旧家が処分された物との事で、平成11年に購入しました。よって、権門駕籠と解(かい)して良いと思います

使用年代は江戸時代初期。物置に20年余り保管しており、懐古庵に展示するため取り出したところ埃(ほこり)塗(まみ)れになり、入荷時より悪い状態になっていました。

しかし、何とか丁寧に埃を払い室内に収納出来ました。400年の歳月によって、表面の畳張りや釘等が風化し欠損していますが、和紙の上に黒漆が塗られ、職人の繊細な技巧等を今に伝える貴重な文化財です。 

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