全て人にせられんと思うことは
人にもまたそのごとくせよ
この名句碑は、当庵南側の庭にあります。
製作期間は、石の研磨などから始めたので2~3週間は費やしています。
この名句は、キリストがユダヤの丘で民衆に向かって述べた言葉です。
D・カーネギーの歴史的ベストセラーとなった著書「人を動かす」で、世の中で最も重要な法則(黄金律)として紹介されました。
その言葉の意味は
「すべて他人(ひと)にして欲しいと望むことを、まず他人(ひと)に そのようにしてあげなさい」
との内容です。
「黄金律」とは、D・カーネギーが伝えた人間性の秘密の掟(おきて)を言い、それは
「相手を認めて心から褒める」
無分別、つまり
利他の精神(利他主義)
を意味します。
その無分別こそ、聖人の教えに共通した「秘密の掟」であるのをD・カーネギーが突き止めて紹介した訳です。
約3500年前、インドのヒンズー教の聖典に説かれる。
約3000年前、ペルシアで拝火教のゾロアスターが説く。
約2500年前、中国では孔子、インドでは釈迦が説く。
その100年後、道教の祖「老子」が説く。そして、
約2000年前、ユダヤの丘でキリストが説いた「人間の掟」が「黄金律」です。
D・カーネギーは、著書の中でキリストの言葉以外に、それら聖人達の言葉を紹介してはいませんが、聖人達の教えに「黄金律」が数々見付かります。
〇子曰わく
「己(おのれ)の欲せざる所は、人に施(ほどこ)す勿(なか)れ。」
(孔子)
〇原始経典の一部、相応部(そうおうぶ)経典より、
「おのれの愛(いと)おしさを知るものは、他を害してはならぬ。」
(釈迦)
〇「取らんと欲する者は、まず与えよ。」
(老子)
などの教えがそれです。
私が以前ブログで紹介した掲示板下の石碑「自未得度先度他」も、道元禅師が教えた禅名句ですが、
「自(みずか)ら未だに度(ど)を得ざるに先ず他を度す」
(度とは悟りの境地の事)
と説かれ、内容が
仏の境地に生きるということは、自分本位、自分中心の心を捨て去り、他の人、他の生き物の為に尽くす生き方をする事 の意で 黄金律の教えです。
黄金律が持つ「秘密の掟」とは、
〇自分よりまず他の人を優先させる。
〇人を愛して自分を愛する。
〇相手を認めて心から褒めよ。
という「無分別の利他主義」を意味します。
※黄金律の教えは、色々な言い方として、探せば様々に見付かります。
それは、一言でいえば「利他主義」です。
古民家ギャラリー懐古庵では、先人達が残した大切な教えも、精神文化の伝承と考えています。
※(参考文献)創元社刊、D・カーネギー著、山口博訳、「人を動かす」
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