ゲーテの名言「心の礼儀」
心の礼儀というものがある。
それは、愛情と同類である。
その様な心の礼儀があってこそ、初めてもっとも純粋な礼儀正しさが外面行動に現れるのである。
ゲーテ(1749年~1832年)
ドイツの詩人・劇作家・小説家・自然科学者・政治家・法律家・ドイツを代表する文豪。
(石碑の紹介)
素材は大理石、当庵南の庭に配置しています。
この名言を一度で理解するのは難しいので、何度か読み返して下さい。
その内容を理解すれば、ゲーテの知力が存分に感じる名言です。
人は心の中で、暴言を吐いても自由です。
車の運転をすれば、急に人間性が出る人がいます。
「この糞(くそ)じじい、糞ばばあ!」
等と、乱暴な言葉を口にして運転する人はいませんか?
心の中で、何を言っても自由ですが、暴言を口にすると、聞く側に不快な感情を与えてしまいます。
どんなに「因果応報」を信じない無神論者であっても、心の中で思っていることが結果となって現れることくらい理解出来ない人はいないと思います。
心理学では当たり前のことを、一見判りにくい様ですが、これ程ズバリ指摘している名言はないと思います。
この様に洞察力のある思考が出来るのは、さすがゲーテです。
似た教えで「心の平和」に関する名言は多くあります。
アインシュタインも「心の平和」を訴えた人の一人です。
「心の平和」についてー別の賢人が、
「確かに人間にとっての幸せは、欲求の達成に他ならないが、『心の平和』が欠けてしまえば、それらは全て重荷に過ぎなくなってしまう。」
という内容の名言も残しています。
二つの教え、
ゲーテの「心の礼儀」
アインシュタインの「心の平和」
は同類だと思います。
(おわりに)
外見だけで人の本質は判りませんが、どんな人と接するにも礼儀を守ることが処世術であり、心で思っていることが行動に現れるのは必然です。
心の中で、相手に対する愛情があってこそ、礼儀正しい外面行動が現れるものです。
オーストリアの小説家シュティフターは、ナポレオン時代、征服され没落して行く民族を目の当たりにして、次の名言を残しました。
没落してゆく民族が、最初に失うものは節度である。
(シュティフター)
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