「中庸」の石碑
中庸は誠の道に通ず。
(はじめに)
この石碑は、当庵東側の庭に配置しています。
此の名句は、古来儒教に基づく道徳の教えです。
中国の歴史では、唐時代以前の学問は、
「五経」
易経・書経・詩経・礼記・春秋
が中心でした。
宋時代以降になって、
「四書」
大学・論語・孟子・中庸
が中心になりました。
中庸は、大学と同じ礼記の一節で倫理哲学上、聖賢の完成形とされ、その教えは
聖賢の奥義「誠の道」に通じる
「至高の理念」でした。
(中庸とは)
考えや行いが偏(かたよ)らず、穏当で中正のことをいう。
穏当(おんとう)とは、
・無理がなく道理に叶っている
・至当(しとう)、妥当な様子
をいう。
至当とは、
・極めて当然のこと
をいう。
(中庸の大切さ)
心に余裕がないと思考が単純化し、
「白か黒かの二極化思考」
・思考が感情的(投げやり)
・認識より意識で行動
に成りがちである。
思い遣(や)りの心に欠けて
「自分だけの都合の良し悪し」
に成りがちである。
利己的な過ちを残さぬよう、考えが偏らず、心を安定させるのが望ましい。
(おわりに)
この世は共生社会である。
多様化の中に「調和」が大切である。
認識の甘い単純二極化思考にならぬよう、
〇大きな器でも、小さい器でもー
〇誰でも、どの団体もがー
納得の行く最善の方法には、「最大公約数」の考え方が穏当である。
「最大公約数」(中庸)で事に当たれば、最も妥当な「誠の道」が見えてくる。
(追記)
最大公約数とは、
二数以上に共通な約数の内で最大の数
をいう。
ゲーテ思想の調和には「振り子の考え方」があります。
・調和が振り子の様に保たれるー
との考え方です。
小さな振りには小さな振り戻し。
大きな振りには大きな振り戻し。
平穏な生活(調和)を保つには、穏やかに安定した振り子が好ましい。
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