今回は[古道具]について、幾つか簡単に説明いたします。
1、薬研(やげん)
この道具は、時代劇でよく目にします。
薬研(やげん)は、漢方薬や花火の火薬製造などに使われました。
中国の唐時代に発明され、日本には平安時代に茶道具で伝来したとのことです。
2、薄端(うすばた)
この道具は、生け花(華道)の伝統的な金属製花器です。
中国から室町時代に伝わり、池坊や古流で用いられています。
中央に生け口(筒)がある広口の上皿部分と、下の胴部分が組み合わさって出来ています。
写真の薄端(うすばた)は鉄器で大分錆びていますが、一般的には銅製の物が多く代々使用できる花器です。
3、矢立(やたて)
この道具は、昔の携帯用筆記具です。
蓋を開けると墨壺があり、筒に小さな毛筆が収められていました。
万年筆が普及する昭和初期まで使用されていました。
4、行器(ほかい)
この道具は、元々四角い蓋が被せられる物ですが、底板だけが残っています。
平安時代以降、儀礼の際に食物を入れて2つ一組を紐に掛け、天秤棒で担いで運びました。
身分が高い人の道具でした。
5、おわりに
最後に、ちょっと特殊な物を紹介いたします。
「長柄銚子」と「加えの銚子」
金属製で[長い柄の銚子]と[普通の持ち手の銚子]の2種類です。
雛人形の3人官女の両側の2人が持っている道具です。
「長柄銚子」・「加えの銚子」と云う神具の酒器です。
以上、古道具などは、見たことがあっても名称まで知っている人は少ないと思います。
また珍しい道具が有れば紹介したいと思います。
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