懐古庵でお出迎えするのは、遊び心が豊富な老夫婦です。
1 はじめに
古民家ギャラリー懐古庵では、大正時代の古民家を大切に保存し、貴重な文化(物質文化&精神文化)を残して次世代へ継承しようとしています。
私は自由に白髭を生やし、適当に
「白髭の好々爺(こうこうや)」
を名乗ったりしています。
それは、背広ネクタイ姿でお出迎えする公共施設とは違い、
「芸術家のポニーテール」
と同様に、自由な遊び心を重視したスタイルで、古民家ギャラリー懐古庵の多様性を魅力的に発信する試みの一つでもあります。
2 芸術家のポニーテール
精神が疲れてしまった時、人生を好転させる方法に、
「ケセラ・セラ」
(何とかなる!)
との意識改革があります。
人は、自分の理想・人間関係・仕事・時間・家庭・常識 等々のしがらみに囚われた現実世界で生きています。
そして、社会のしがらみから逃げ出したい煩わしさを感じながら暮らしています。
「宝くじに当たったら、南の島で暮らしたい。」そんな願望は誰にでもある事です。
しかし、それは今の自分から逃げることであって、疲れている自分に対する防衛本能に過ぎません。
日常の自分に疲れているのに、しがらみから抜け出せずに「大丈夫だ!」を装って身構えてしまうため、「逃げたい!」と云うリセットボタンにまで手が触れてしまうのだと思います。
現実から逃げることは、責任を放棄することで、周囲の人に迷惑が掛かります。
つまり、仕事や人間関係から逃げるのは、無責任な行いです。
プライドに囚われ過ぎた結果、逃げるのではなく、仕事・時間・常識からストレスを緩めて開放する精神転換が必要です。
或る精神科医の本では、完璧主義には「2つのタイプがある」と云います。
1つは「芸術家タイプ」。
もう1つは「臆病な自意識過剰タイプ」。
芸術家タイプは、失敗を肥やしにして完成を目指し「遊び心」を受け入れる。
その為、常識には囚われず、7割の凡打や三振があっても、それを肥やしにして3割バッターを目指す。
しかし、臆病な自意識過剰タイプの完璧主義者は、人の視線ばかり怖がって批判を畏れ、ハンドルに遊びが無い為、打たれ弱く潰れやすい。
完璧主義や常識に囚われて「コチコチな生き方をする」のではなく、
「芸術家のポニーテールの様な遊び心」
が大切であり、懐古庵では、誰でも気楽に立ち寄れる、そうした多様性のある施設を目指しています。
3 「できない事は、できない」
古民家ギャラリー懐古庵では、理念やビジョンの実現に向けて、古民家を生かした様々なビジネスモデルを考えて努力しています。
しかし、全ての理想が実現できる訳ではありません。
むしろ僅かな可能性を見出そうとしているのが現実です。
「あれも駄目、これも駄目」と落胆ばかりしていても始まりません。
「できない事は、できない」を素直に受け止めれば、焦る気持ちもなくなり、むしろ
「できる事は何か?」
が明確になってきます。
できる事をやり、行き詰まれば息抜き(遊び)をして楽しみながら成長できれば と思っています。
4 おわりに
ケセラ・セラ。
「何とかなる」のが人生。
先日、時々ご来店下さる女性のお客様から、
「ねえ、ねえ御主人。
30㎝位の板きれは無い?」
と尋ねられ、ちょうど古民家の修理で余った端材があったので差し上げたところ、大変喜んで頂きました。
ビシィと決めたスタイルで、コチコチの店主が応対していれば、恐らくその様な砕けた日常会話は無いだろうと思いました。
懐古庵の良さは、「多様性」と「常識に囚われない遊び心を楽しむ施設」である点だと思います。
私達夫婦にとっては、気楽にご利用頂けたら嬉しく思います。
懐古庵主
※(参考資料)
KKベストセラーズ発行
精神科医 斎藤茂太 著書
「逃げ出したい!」自分を救う本
参照
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