忠恕の精神

【私心】に執着しがちな人が気付かない落とし穴。

1 はじめに

   人生にとって、最も大切なもの。

   忘れてしまって、凡そ無いもの。

       素直な心

 私心に囚われると、人は素直さを忘れてしまう。

  「素直な心」の正体は、感謝です。

 今回は、その忘れがちな素直さ(素直な心)について、文字起こしをしてみました。


2 孔子の教え「忠恕の精神」

 論語「里仁(りじん)篇」に次の教えがあります。

      吾道一以貫之 

  わが道は、一以(いつもって)これを貫く 

 孔子が弟子の曾氏に述べた言葉で、

  「私は、一つの道を貫いて来たのだ。」

と云うものです。

 孔子が云う「一つの道」とは、仁(じん)の事です。

     仁(じん)とは何か?

 正にそれは、忠恕(ちゅうじょ)の精神を云います。

 孔子は、忠恕(ちゅうじょ)こそが人生の基本だと考えていました。

 そして、仁は「忠恕の心」から出来ているとー

 それを弟子達にも説いていたのです。

  忠(ちゅう)とは、真心(まごころ)。

  恕(じょ)とは、思いやり。

 忠恕(ちゅじょ)とは、「真心と思いやり」を現わす言葉です。

 その為、「吾道一以貫之」(私は、一つの道を貫いて来たのだ)を、

 「私は、仁(忠恕の精神)を貫いてきたのだ。」

と解釈されています。

 忠恕は人生の基本。つまり、この名言は、人生の如何なる場面でも「真心と思いやり」を貫くことの大切さを教えにしたものです。

      吾道一以貫之 

  わが道は、一以(いつもって)これを貫く 


3 私心に執着しがちな人の落とし穴 

 私心に執着すると、態度や言動、表情 等に現われます。

 私心に執着すると、本当の自分(素直な心)を見失い、虚勢を張ったり、人を無下にしたり、都合が悪いと誤魔化したりします。

 更に、言い訳や言い草、悪口等が多くなり、そうした猫だましが多い自分にも気づかず、行動しがちになります。

 しかし、私心を捨て「素直な心」で接すれば、人に虚勢を張らずに無下にもせず、猫だまし等で誤魔化さず、素直に事実そのまんま自分を飾らず、本当の自分を出すことができます。

 そして、相手に素直な心(真心と思いやり)で寄り添えば、如何なる場面でも道を切り開いて行くことが出来るものです。

   私心に囚われず、執着しないこと。

 人生には、とかく私心への執着に「落とし穴」があるものです。


4 おわりに

 人生の成功者、松下幸之助や稲盛和夫は、成功の秘訣に「素直な心」と「感謝の念」の大切さを何度も訴えていました。

  人生とは、人間性の秘密を探し求める旅路ー

 正に偉大な先人達が見つけた人間性の秘密「素直な心」「感謝の念」こそは、人を導く黄金律であると思います。


        古民家ギャラリー懐古庵









 

 

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